ホーム >> お庭のお手入れ講座

お庭のお手入れ講座

桜の木の枝落とし(剪定)

今回は剪定作業の中でも、他の木よりもデリケートな「桜の木」の枝落とし(剪定)講座です。

桜の木は大変腐りやすいため、切り口から腐敗菌などが入ると、木全般に広がり枯死する可能性があります。また、剪定に適した季節があります。春・夏・秋に桜を剪定して、桜の木を枯らしてしまった、というケースも伺います。 

桜は剪定が必要なの?

まず、「桜は剪定の必要はない」と勘違いされる方がいらっしゃいます。
『桜切るばか、梅切らぬばか(※1)』という、故事からでしょうか。
※1:大辞林 第三版、によると、「桜は幹や枝を切るとその部分が腐りやすいが,梅は余計な枝を切らないと翌年花が咲かなくなる、という違いからいう。」とあります。

しかし、桜の枝が混みあうと「てんぐ巣病」にかかりやすく、また、徒長枝(風通しの悪い部分)を放置すると、カイガラムシなどの虫害を誘発しかねません。これらの対応は「桜の剪定」です。桜でも、不要な枝は、「剪定すべき」なのです。

桜の剪定の注意点

いろいろなご家庭の桜を拝見してきましたが、お客様自身で剪定し、形が崩れてしまった桜、間違った部分を剪定されて枯れそうな桜、など多く見受けられましたので、今回はより多くのお客様に、一定の知識をもって桜の木を剪定していただきたいなと思い書かせて頂いております。

まずは無料お見積もり お見積り お問い合わせ
概算を知りたい方はこちら 今すぐこの場でわかるかんたんお見積り

桜の剪定に適した、道具と材料。

・「型枠用のレザーソー」

桜に限らず、私が使っているノコギリはホームセンターさんなどでよく見られる「レザーソー」というノコギリです。(以下、レザーソー) 「剪定用のレザーソー」もあるのですが、私はあえて「型枠用のレザーソー」を使用しております。
なぜなら、剪定用のレザーソーですと、目が粗く、枝を切り落とした際に、切口が汚くなってしまい、そこから菌などが侵入して、樹木が弱ってしまう可能性があるからです。一方で、「型枠用のレザーソー」は目が細かく、切り口も美しく切れますので、もしお使いになられる場合は、型枠用のレザーソーをおすすめ致します。

・「トップジン」

「トップジンMペースト」という防腐剤を用意します。
木の切り口にトップジンを塗ることで、桜の樹木に菌が入りにくくなるよう処理できます。
色は黄色ですので塗った際に目立つので、殺菌効果が上がる「墨汁」をトップジンに混ぜて使用されることをおすすめします。市販の「墨汁」と書いてあるものなら、ほぼ大丈夫でしょう。

写真に写っている「トップジン」は業務用ですが、小さめのチューブ型も販売されております。
他の種類で「カルスメイト」という商品でも大丈夫です。

・ハケ
「トップジン」を塗る際に使用します。市販のペンキ用のハケで十分です。

まずは無料お見積もり お見積り お問い合わせ
概算を知りたい方はこちら 今すぐこの場でわかるかんたんお見積り

桜の剪定のポイント

写真の○のついた赤い線で切ります。
×の線で切ると、幹から枝の部分が枯れてしまうリスクが多く、また傷みやすくなります。
○の線で「バークリッジ」に気を付けて切ることが重要です。
バークリッジ(bark ridge)とは、枝の付け根(枝と幹の間)にある、樹皮がぶつかり合ったようなシワ状の筋のことです。この筋(バークリッジ)は絶対に傷つけないように、慎重に切ります。これは、サクラの枝落とし(剪定)で重要なポイントです。

下図、破線がバークリッジ部です。

桜の剪定後の作業

赤丸が切った個所です。写真はトップジンを塗った後の写真です。 この写真では、墨汁は混ぜていない状態です。

トップジンを塗る際には、多少切断面からはみ出ても良いので、切り口がすべて隠れるように塗りましょう。全体的にきれいに塗れていれば特に注意することはありません。

桜の剪定に適する時期はいつ?

桜の剪定は、桜の葉が落ちて直後、つまり、11月頃、状況によって、12~2月までが適切だと考えております。

どうして春・夏は、桜の剪定に向いていないの?

春・夏時期は、桜の葉が生い茂るため、木そのものも大きく見えてしまい、剪定したくなる季節です。 しかし、春・夏・秋の季節は、桜の活動期です。つまり、樹液が活発に流れているので、大きく枝を切断すると、人間で言う出血多量になりかねません。またこの季節は、桜の病害虫である、アブラムシ、カミキリムシ、コスカシバ、コガネムシ、ケムシ、せん孔褐斑(かっぱん)病、こうやく病(カイガラムシ)、てんぐ巣病などが増える時期でもあり、できるだけ、桜の体力は温存し、病気や虫に負けない健康な状態を保つべきです。 ですから、桜の太い枝を春夏秋に切ってしまうことは、百害あって一利なしという事になります。 一方、冬は桜が休眠期に入りますので、剪定のチャンスです。できれば、真冬や花の咲く直前の春が近い時期の剪定は避けたほうが懸命なので、結果的に11月頃がベストなタイミング、状況によって、12~2月までが適切だと考えております。

桜の開花時期は?

桜は、その品種や地域、その年の気候によって、開花時期が異なります。

  • ソメイヨシノ
    1月中旬~4月頭(花は1週間程度で散る)
  • シダレザクラ
    3月下旬~4月下旬
  • ヤマザクラ
    3~4月
  • ヤエザクラ
    3月下旬~5月上旬
  • フユザクラ
    11~12月頃、4月上旬の年2回
  • カンザクラ
    1~3月頃
  • ヒガンザクラ
    1~3月
  • カスミザクラ
    4月下旬~5月上旬

今年の桜開花予想はこちら:http://sakura.weathermap.jp/

満開の桜を、毎年ご自宅の庭で眺める・・・本当に気持ちが良いものですね。 本記事を参考に、お庭の桜を正しく剪定いただき、ぜひ来年も最高のお花見にしていただけますと、とてもうれしいです。

なお、大きくなりすぎた桜や、古木などの剪定には、危険が伴う場合がございます。大切な桜の管理でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

まずは無料お見積もり お見積り お問い合わせ
概算を知りたい方はこちら 今すぐこの場でわかるかんたんお見積り
お問い合わせフォーム 初めての方
  • ズバリ他社とここが違う。
  • 植栽の年間管理


庭クイックのスタッフのご紹介です

LINEでお見積り

【LINE受付時間】

月 〜 金 10:00~16:00