お花に顔を埋めて蜜を食べてるハナムグリさん。体にあるモフモフの毛に、花粉がたくさんついています。蜜を食べるかわりに花粉を運んでもらえるよう、お花が狙って付けているのです。
こうして体に花粉をつけて花から花へ移ることで、知らず知らずのうちに、昆虫たちは花粉を媒介して運んでくれます。
そのおかげで、花は受粉でき、受粉することで実をつけることができます。
そしてその実を人(や鳥)が食べています。
そろそろ実りの秋ですが、それがあるのも昆虫たちのおかげ。
無農薬は素敵なことですが、大変です。農産物の安定収穫のためには適度な農薬は大切です。農薬や肥料など、科学を適度に使うことは、私たち皆がお腹いっぱい食べていくためには大切なことです。それでなくても天候不順で収穫量が一気に変動しますからね。
害虫や植物の病気が蔓延すると、植物は弱ってしまい、なかなか実をつけられなくなってしまうんです。
けれども過剰な農薬の使用は、ふと考えなければいけないとも思います。
殺虫剤は、花粉を運んでくれる昆虫も殺してしまいます。
花粉が運ばれないと実がならない。実がならないということは……
自然とも科学とも、うまく付き合っていくことが大切ですね。(^∇^)
実りの秋の前の季節に添えて。
樹木医・中村