2019年5月4日(土)
「樹木医と一緒に森林を歩き、植物を観察する会」を行いました。



↑甘い香りが心地良いカツラの林
先輩樹木医さんたちと、参加をご希望された方々と、1時間半ほど散策しながら、
植物の花や姿形、性質についてお話ししました。
とはいえ私はまだまだ未熟なので、先輩樹木医が話す内容について補足をしたり、見つけにくい小さな花を見つけたり、観察会の裏方として動いていましたが。
学べば学ぶほど、植物の世界の奥深さ、植物の生き残り戦略の強かさなどが見えてくるので面白いのですが、その分自分の知識の浅さも気付かされるので、同時に焦りも感じました。
もっと勉強しなければ!

以下、観察会で見られた植物たちの一部をご紹介します。

●ホオノキ↓
原始的な被子植物のひとつ


●竹・笹・バンブーの違い
竹は皮がめくれる、笹はめくれない。
竹と笹は地下茎だがバンブーは株立状で地下茎なし
(申し訳ありません。写真を撮り忘れました)

●エノキ
直射や西日を避けて、北側などある程度湿潤な場所を好む。ここは昆虫の越冬場所にもなり、エノキは昆虫の餌になる。(ゴマダラチョウなど)
(申し訳ありません。これも写真がありません)

●チューリップが朝夜で開閉する仕組み
花内側の細胞が水を吸うため日中に開き、花外側の細胞が水を吸うため夜は閉じる。


●カラスザンショウ↓
パイオニア(先駆的)植物。他の植物が進出していない土地に先駆的に入っていく植物。
実生(=子ども・苗木状態)の時期はアゲハチョウの餌になるが、大きくなるとアルカロイド成分を持つため食べられなくなる。



●チドリノキ(ムクロジ科カエデ属)↓
カバノキ科のシデに似た葉をもっているが、カエデの仲間。イロハモミジもムクロジ科カエデ属。



●アカメガシワ↓
葉に蜜腺を持つ。蜜腺にアリを呼び込むことで、葉を食害する昆虫を寄せ付けないようにする。



●ギンラン↓


●キンラン↓



●問題のある支柱方法。↓
見た目の割に安定がなく、樹木の根の成長と幹の成長を著しく妨げる。


●ハナイカダ↓
見にくいですが、葉の中央にご注目


●森林内でこの樹形になった理由を、周辺を観察して推測する・・・
対象の樹木だけでなく、藪の中や時には頭上も観察しましょう・・・


●在来種のニホンタンポポ


●在来種ニホンタンポポと外来種西洋タンポポとの交雑種(西洋タンポポが優勢形質となっているため問題)


初夏の林は歩けば歩くほど発見や面白いことがいっぱいです。
もう少しすると熱くなり蚊や蜂が活発になってしまうので、今の時季が良いですね!


樹木医・中村